【萬物相】政治家への「風水テロ」

 金大中(キム・デジュン)元大統領の墓は放火により芝生などが燃えた。盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の墓には汚物がまかれた。李会昌(イ・フェチャン)元ハンナラ党総裁の祖先の墓には鉄杭が打たれた。李舜臣(イ・スンシン)将軍、儒学者の李滉(イ・ファン)、同じく儒学者の丁若鏞(チョン・ヤギョン)の墓からも包丁と杭が発見された。李会昌元総裁と李舜臣将軍の墓の杭は呪術(じゅじゅつ)師の仕業だと判明した。このような人々が目標とするところは、ほとんどが特定の人物の墓である場合が多い。

 このほど、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検察総長(日本の検事総長に相当)の祖父の墓が荒らされ、人糞(じんぷん)・包丁・護符(ごふ、おふだ)・髪の毛などが発見されたという。何者かが尹前総長にのろいをかけようと、「風水テロ」をした可能性がある。インターネット上には一時、尹前総長をのろうための人形や護符があちこちに掲載されていた。韓国社会には間違った風水思想やシャーマニズム的信仰がまだ根強く残っている。墓に杭を打ち、人糞をまいたからといって何かが変わるわけではないだろうが、大統領選挙が近づけば近づくほど確執が深まり、こうしたのろいも増えるだろう。風水テロはそれでもましな方かもしれない。「金大業(キム・デオプ)事件」のような操作や詐欺が行われないとも限らない。どこかで既に準備しているのかもしれない。

ペ・ソンギュ論説委員

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