このように配達市場の拡大で配達員の需要が増え、専業配達員でなくても配達で金を稼げる時代となった。昼食、夕食、休日など「ゴールデンタイム」を狙った時間制配達員も登場した。ソウル市中浪区に住むキム・ガンホさん(29)は、昨秋に勤めていた職場を退社し、今は再就職に向け準備している。退社後は所得がなく、ウイークデーは勉強し、週末には配達をしている。キムさんは「私が望む時間帯にいつでも働けるというのが長所」とし「週末には1、2分以内に配達要請が入り、運が良ければ同じような経路の配達を同時に3件頼まれることもある」と笑みを浮かべる。
ソウル大学4年の男性(27)は「学校の近くでジャンパーを着た配達員をよく見掛ける」という。ソウル大学在学生のオム・テウォンさん(24)も大学生の配達アルバイトだ。オムさんは「知人には『いっそのこと課外授業でもしろ』と言われるが、好きな時間にお金が稼げて運動にもなるのでちょうどいい」とし「今年2月にはソウル大入り口駅近くで私のように配達する学科の同期にも出会った」という。
オンラインコミュニティーには一般人による配達ノウハウが共有されている。「運動にもなりそうで配達アルバイトを考えているが、どんな自転車がいいのか教えてほしい」という書き込みもよく見られる。祥明大学経済金融学部のイ・ジュンヨン教授は「配達サービスの拡大でサービス提供者と購買者間の境界が崩れている」とし「一時的に労働者になってからまた消費者になる役割変化が柔軟に行われる時代となった」と説明した。