海外ブランドのユニクロがデジタル人民元プロジェクトに積極的に参加しているのは、中国当局の核心政策に歩調を合わせるという目的が大きいとの解釈が出ている。中国はユニクロにとって最大の海外市場だ。昨年下半期には中国国内の店舗数が初めて日本の店舗数を超えた。今年4月末現在で中国のユニクロ店舗数は800店以上だ。
ユニクロは中国で好業績を収めていたが、先ごろ中国・新疆ウイグル自治区の少数民族の強制労働をめぐる論争に巻き込まれ、中国で不買運動の標的にもなった。ユニクロをはじめ、外国のアパレルブランドH&M、ナイキ、アディダスなどは、ウイグル族の強制労働によって生産された綿花は使用しないと表明したところ、中国で不買運動の対象となった。一部の中国人は、ユニクロの親会社であるファーストリテイリングが過去に「人権侵害について容認しない方針を取っており、あらゆる形態の強制労働を厳格に禁止する」「中国のウイグル族の状況について深刻に懸念する報道のことは十分に認識しており、ユニクロの製品は新疆ウイグル自治区では製造しない」という内容の声明を発表したことを問題視した。
中国で不買運動の対象になった後も、ユニクロは新疆ウイグル自治区での強制労働によって生産された製品がないよう、綿花の供給網をモニタリングすると強調した。ファーストリテイリングの柳井正会長は先月8日の業績発表後の記者会見で「そのような問題が見つかれば取引先との契約を即座に停止する」と述べた。
ユニクロは、韓国では店舗数を引き続き縮小している。昨年1年間で40店舗以上閉鎖した。日本政府による韓国への輸出制限措置をきっかけに2019年7月から韓国で不買運動が始まったのに加え、新型コロナの打撃まで重なり業績が悪化した影響だ。