「女性徴兵制」論争は古臭いテーマだ。憲法裁判所は2014年、「男性の方が戦闘に適合した身体的能力を備えており、身体的能力が優れた女性も生理的特性や妊娠・出産などにより訓練や戦闘関連業務には支障があるといえる」として、全員一致で「男性の義務服務」に合憲決定を下している。
最近になってこの問題が再び浮上したのは、韓国政界の扇動が一つの原因となっている。先ごろ行われた4・7再選挙・補欠選挙で、いわゆる「イナムジャ」(2男子。20代男性のこと)の与党支持率が大幅に下落したことを受け、与党側から「男女平等服務制」を提案するなど「イナムジャ」求愛に乗り出したのだ。与党「共に民主党」の朴用鎮(パク・ヨンジン)議員が4月18日、「男女どちらも最大100日間、義務的に軍事訓練を受けるようにしよう」と「男女平等服務制」導入を提案したのがその代表例だ。続いて他の与党議員らも「韓国各地の自治体の職員採用時に軍隊での経歴を認める」「公企業・公共機関で昇進評価の際に軍隊での経歴を反映」などの案を進めたい、と言い出している。
ソウル大学自由専攻学部(政治学)のキム・ボムス教授は「人口絶壁の懸念がある中で、中長期的な人的改編など軍安保についての根本的議論なく単に女性徴集を論ずる韓国政界の動きは、票のための利益迎合主義」だとし、「男女間の不必要な消耗的論争をあおるのは望ましくない」と語った。