【コラム】露骨にからかわれた中国空母「遼寧」

 遼寧は経験だけでなく、性能も大きく劣り、事実上離着陸練習用に近いと言えます。米空母は原子力推進システムを備えており、一年中燃料補給なしで航行できるが、ディーゼルエンジンを使用している遼寧は母港を出て1週間もすれば燃料を心配しなければなりません。

■「攻撃に弱いので、国際救助活動に使え」

 艦載機の離着陸システムはさらに問題です。遼寧は船首が14度ほど上に向かう「スキージャンプ台」を使用しています。空母は陸上の空港のように滑走路が長くないので、上向きの滑走路で離陸するのです。

 しかし、この方式では戦闘機に燃料や武器を十分に積み込むことができません。作戦半径や戦闘能力がそれだけ低下することになります。米国は蒸気式射出機(カタパルト)でその問題を解決しました。投石機のように飛行機を強い力で空中に打ち上げるのです。そうすれば、戦闘機はさらに多くの燃料や兵器を積み込めます。

 その上、米空母にはステルス戦闘機F35をはじめ、軍用機80-90機が搭載されます。これに対し、中国はステルス機がなく、艦載機の数もかなり不足しています。

 米議会調査局(CRS)は今年3月初め、中国海軍の現代化に関する長文の報告書を発表しました。

 報告書は中国が駆逐艦などを大幅に増やしていることには強い懸念を示しました。しかし、空母については、「米軍の攻撃にあまりに弱く、米国以外の他国に勢力を誇示したり、国際救助活動を行ったりするために使われるのではないか」と指摘しました。

崔有植(チェ・ユシク)東北アジア研究所長

■韓国が2021年世界軍事力ランキング6位、米国1位…中国は?

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい