福島第一原発の爆発事故後、貯蔵容器にためて保管してきた大量の放射能汚染水(原文ママ)について、日本政府が13日「2年後から海に排出する」と決定した。現在、汚染水の量は125万トンだが、1日およそ140トンずつ増えている。汚染水は浄化設備で放射性核種を除去するが、水分子の構成物質として入り込んでいる三重水素(トリチウム)は取り除くことができない。日本当局は、これを海水で希釈し、トリチウムの濃度を世界保健機関(WHO)の飲料水基準値の7分の1程度にまで薄めた後、30-40年かけて放流したいという。韓国政府は「断固として反対」とし、中国政府は「厳重な懸念を表明した」とコメントした。米国は「日本政府の決定は透明かつ国際基準に合致したもの」と評価した。
福島の汚染水放流が韓国国民の健康や生態に影響を及ぼさないという専門家の意見は多い。放流汚染水はほとんどが黒潮に乗って北太平洋に拡散し、ごく一部が南に移動して東海に入ることもあり得るが、その量は福島の放出量の0.001%にもならないという。韓国の月城原発団地からも、相当量のトリチウムを冷却水で希釈して放流している。ただし、月城の放流水の濃度は1リットル当たり13ベクレル(Bq)という水準だが、日本は1リットル当たり1500Bqを計画している。
福島で保管されている汚染水の70%には、トリチウムだけでなく基準値を超えるセシウム、ストロンチウムなど他の放射性物質も含まれていることが調査で分かっている。日本は、これもまた浄化して放流するというが、隣接国の不安を払拭(ふっしょく)できる透明なモニタリングの仕組みを提示できなかった。日本政府は、自国の漁業従事者らが「海へ意図的に放射性物質をばらまいていると認識されかねない」として放流に反対している状況にも留意すべきだろう。
他に代案が全くないため日本政府がやむを得ず汚染水を放流する、という見方も理解しがたい。福島第一原発の敷地内にこれ以上汚染水を保管する場所がないのなら、周辺住民の同意を求めて敷地外に保管する方法を考究することもできただろう。トリチウムは半減期が12.3年なので、さらに30年程度保管しさえすれば80%以上は消える。日本政府に誠意さえあったなら、費用はさらにかさむとしても、放流を先伸ばしにすることもできただろう。