-今年1月に本紙に寄稿したコラムで、対北ビラ禁止法などを巡って(バイデン政権が)堂々と懸念を表明しなかったことについては「同盟関係を尊重したから」との見方を示したが、その一方で「どれだけ長く沈黙を続けるかは不透明だ」と警告した。バイデン政権はどの時点で公に懸念を表明するだろうか?
「公開の場で問題提起を行うというよりも、非公開での対話を進める方向で最善を尽くすだろう。舞台裏でも多くの外交が行われると考えられるからだ。いかなる対話がやりとりされるか想像はできる。米国政府が『北朝鮮の人権問題は重要だ』と言えば、韓国政府は『それは知っている。われわれは同じ民族だ。北朝鮮の兄弟姉妹のことを考えている。しかし重要なことは核問題だ』と言い返すだろう。米国は過去にも(韓国の)リベラル政府とこのような対話をしたことがある。また対北ビラ禁止法のように文在寅政権が前例を破って取った行動はすでに起こったことだ。予測は難しいが、文在寅政権が何か劇的で新たなことを起こさない限り、公開の場で分裂することはないだろうと予想している。しかしもし突然脱北者が来たのにその全員を送り返すなどすれば、それは米国政府としても無視できないだろう」
-2019年に文在寅政権は帰順の意思を明確にした北朝鮮の漁業関係者2人を「凶悪犯」として北送した。そのようなことが起こったら話は変わるだろうか。
「そのようなケースであればもちろん話は変わってくるだろう。トランプ前政権はこの問題について何も言わなかった。何を言ったのか記憶もないが、バイデン政権は公開の場、あるいはそれ以外の場で明確に何かを言うだろう。表向きは(同盟国との)団結を示したいので亀裂は少しずつ解消させるだろうが、この種の問題であれば見過ごすことは難しい」