韓国鉄鋼大手ポスコが最近、軍部によるクーデターで流血事態が発生しているミャンマー国内での事業を巡り、対応に苦慮していることが5日までに分かった。ミャンマー事業の収益が軍部に流れかねないとし、株主の海外機関投資家がポスコにミャンマーからの撤退を要求しているが、20年以上力を入れてきた事業から撤退するのは容易ではないためだ。
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財界によると、オランダ公務員年金基金ABPの運用子会社APGはこのほど、ポスコに対し、ミャンマー軍部との関係を断絶するよう求めた。他の海外ファンドもポスコに同様の圧力をかけているとされる。APGはポスコの株主だが、公表基準(5%)を下回っているため、正確な出資比率は明らかになっていない。
ポスコ系列のポスコ鋼板はミャンマー軍部が経営するミャンマー・エコノミック・ホールディングス(MEHL)と1997年に合弁企業を設立し、亜鉛めっき鋼板を生産、販売している。また、2013年にMEHLと別の合弁会社を設立し、カラー鋼板も生産している。これら合弁会社の収益がMEHLを通じ、ミャンマー軍部の資金源になっているという主張が浮上している。
ポスコの現地における鋼板関連売り上げは年間200億-300億ウォン(約19億6000万-29億4000万円)、営業利益は数億ウォンにすぎない。しかし、成長潜在性が高いミャンマーと周辺の東南アジア市場を攻略するため、20年以上力を入れてきた拠点だけに、直ちに撤退を決めることも容易ではない。ポスコ関係者は「合弁会社の収益が直ちに軍部に流れるという証拠はない」とし、「MEHLに対する配当は17年に既に中断した」と説明した。ポスコ系列のポスコ・インターナショナルも大宇グループ時代の2000年からミャンマーでガス田開発事業を行っている。
投資家による圧力でミャンマーから撤退した企業もある。ノルウェー中央銀行資産運用局が先月、ミャンマー軍部との提携を理由に日本のキリンホールディングスを保有対象から外す可能性のある「ウォッチリスト」に含めたことから、キリンはミャンマー軍部との関係断絶を宣言した。最近は国際的な民主化団体がミャンマーでガス田事業を行っているフランスのトタルにも事業中断を要求している。