この日のブリーフィングは、2日(現地時間)に米メリーランド州アナポリスの米海軍士官学校で開催される韓米日三カ国安保室長会議の前日に行われた。韓国のクアッド参加に関する質問が出ると、この幹部はまず「クアッドは非公式のグループであり開かれた構造であるため、自由で開かれたインド・太平洋を維持し、その支持に関心のある同じような考え方を持つ国を集めようとするものだ」と説明した。韓国に対して「非公式の形で参加が可能」と述べた発言については、「クアッドそのものが条約のような法的拘束力のない状態で形成された非公式のグループであるため、韓国の参加には何の制約もない」という意味に解釈されている。
文在寅政権が望む「最終的な非核化前の終戦宣言」についても米国は「対北朝鮮政策の中心は(北朝鮮の)非核化だ」として懐疑的な見方を示している。この日開催された米国務省の定例ブリーフィングでは、記者団から「韓国は北朝鮮との対話を再開するため終戦宣言に向けた努力を求めているが、(韓米日)会議の結果によって米国の対北朝鮮政策が変更あるいは修正される可能性はあるのか」との質問が出た。韓国の徐薫(ソ・フン)国家安保室長が三カ国会議でホワイトハウスのサリバン国家安保補佐官にこれを提案するはずだが、米国としてこれを受け入れる意向があるのか問いただしたのだ。これに対して国務省のプライス報道官は「我々は米国の対北朝鮮政策の中心に非核化があると言い続けてきた」と述べた。「北朝鮮との対話再開そのものよりも、実質的な非核化の方がより重要であり、韓国が終戦宣言を求めてきても、米国の対北朝鮮政策が大きく変わることはない」という意味のようだ。そのため今回の韓米日三カ国安保室長会議では、「終戦宣言」を求めて説得を試みる文在寅政権の構想と米国の考え方の立場の食い違いが表面化する可能性も考えられる。
一方で韓米の政府当局は4月中に文大統領とバイデン大統領による最初の首脳会談を行うことについて協議を行っていることがわかった。