数年前にソウル大学環境大学院のイ・ドウォン名誉教授から「植樹はモンゴルの砂漠化をさらに悪化させるかもしれない」という話を聞いた。木は根によって土壌の中の水分を吸い取り、葉を通じて空気中にばらまく全蒸発作用を行う。地中にわずかに残っていた水分まで枯渇させてしまうということだ。まさかと思ったが、李教授は「中国北西部のクブチ砂漠にポプラの木を植えた影響で地下水が減少し、乾燥化がさらに進んだ」と明らかにした海外の論文を送ってくれた。
韓国で黄砂現象が発生する日数は1960年代は23日、70年代は24日ほどだったが、2000年代には117日、2010年代には74日にまで増えた。モンゴルと中国北西部の乾燥地帯から飛来する黄砂は最初は荒い砂粒がその成分だが、中国東北部の工業地帯で汚染された微少粒子状物質を吸収して飛来する。昨日微小粒子状物質の濃度まで非常に高くなったのもそのためだろう。コロナだけでも息が詰まりそうになっているのに、これに黄砂まで飛来すると心まで黄色くなってしまいそうだ。
韓三熙(ハン・サムヒ)先任論説委員