「安重根の平和思想に韓日間の境界はありません」

「安重根東洋平和賞」最初の受賞者は龍谷大学「安重根東洋平和研究センター」
李洙任教授が2013年に設立…7年前から毎年シンポジウムを開催

 李教授は「安重根が残した故人の遺墨は、言葉では言い尽くせない力を持っている」と強調した。2013年に安重根東洋平和研究センターを作った李教授は、この遺墨を活用し、2015年から「東アジアの未来」というテーマで安重根の平和思想を講義してきた。受講者は累積でおよそ800人。「安重根は東洋平和に対する希望を込めて、ソフトパワーとして多くの遺墨を残したと思います。安重根の遺墨を見せてあげながら講義をすると、多くの学生が感動します」

 李教授は「講義に参加した学生らは、想像していたよりはるかに立派な発想をするけれども、ある学生が『安重根は民族、人種を超えた対話を実践する“越境”をした』と言ったときには驚いた」と明かした。

 日本の大学に安重根の研究センターを作る上で、反対はなかったのだろうか。「龍谷大学の設立理念には、人類の対話と共存を望む平和の心が込められている」とし「政治的な理由で反対する人は大学にはいなかった」と語った。安重根の東洋平和論をドイツの哲学者カントの「永久平和論」と関連付けて解釈し、注目されている牧野英二・法政大学名誉教授など15人が非常勤の研究員として参加している。

 安重根東洋平和研究センターは安重根義士崇慕会と連帯し、2014年から毎年学術シンポジウムを開き、安重根の平和思想を発展させている。昨年はコロナの状況下でも、日本の代表的な進歩系の学者である和田春樹・東京大学名誉教授などが参加する中、オンラインシンポジウムを開催した。『安重根と東洋平和-東アジアの歴史をめぐる越境的対話』も出版した。

 インターネットの右翼系サイトに「朝鮮人がテロリストを追悼するセンターを運営している」という書き込みが載ったこともあったが、李教授は気にしないと言った。今月末に定年退職する李教授は、このセンターの事務局長を務め、引き続き日本国内に安重根思想を伝えるため尽力する計画だ。

東京=李河遠(イ・ハウォン)特派員

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  • ▲李洙任(リ・スイム)龍谷大学教授が23日、講義で使ってきた安重根(アン・ジュングン)の遺墨のレプリカについて説明しているところ。李教授は「安重根の平和思想との関連で、彼の遺墨がソフトパワーとして持つ力は強い」と語った。/京都=李河遠特派員

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