6・25(朝鮮戦争)当時に北朝鮮に拉致された被害者の家族が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と北朝鮮の政権を相手取り起こした損害賠償訴訟に勝訴した。昨年7月、脱北国軍捕虜らが金正恩委員長と北朝鮮に損害倍書を求めた訴訟で勝訴したのに続き2例目の勝訴判決だ。
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ソウル中央地裁は25日、原告のCさんが金正恩委員長らを相手取り起こした損害賠償請求訴訟で、Cさんに5000万ウォンの賠償金とその間の利息を支払うよう金正恩委員長と北朝鮮に命じる判決を下した。警察官だったCさんの父親は1950年9月ごろ、慶尚南道陜川郡で北朝鮮軍に拉致され、現在まで生死不明となっている。Cさんは昨年12月、北朝鮮の金日成(キム・イルソン)元主席の相続人である金正恩委員長を相手取り提訴した。
弁護団は国内にある北朝鮮の財産を差し押さえ、それを売却し、賠償金を受け取る計画だが、実際に賠償を受けられる可能性は高くない。韓国のメディアや出版社が北朝鮮の朝鮮中央テレビの映像を使用するため、南北経済文化協力財団に支払った著作権料20億ウォン(約1億9200万ウォン)程度が韓国にある唯一の北朝鮮の財産だが、同財団は損害賠償訴訟に勝訴した国軍捕虜にも賠償金の支払いを拒否している。
類似する訴訟は続いている。今月15日には1968年の蔚珍・三陟武装共産スパイ浸透事件の死者遺族が春川地裁江陵支所に訴訟を起こし、天安爆沈事件の遺族、延坪島砲撃挑発事件の被害者も損害賠償訴訟を検討しているとされる。