2014年のセウォル号沈没事故当日、朴槿恵(パク・クンヘ)前大統領が麻薬を服用していた可能性があると多数の人の前で発言しても名誉毀損には当たらないとする大法院判決が下された。
■自国で報道されたニュースを信頼できますか? 韓国は最下位、日本は…
大法院は25日、虚偽事実の摘示、名誉毀損などの罪で起訴されたパク・レグン被告(60)を有罪とした二審判決を破棄し、無罪の趣旨で審理をソウル高裁に差し戻した。
セウォル号事故関連の民間団体代表を務めるパク被告は2015年6月、集会で「朴前大統領がセウォル号事故当日、7時間にわたり何をしていたのか。もしかして麻薬を使っていたのではないかと気になる」と発言した。また、「スキンケアや整形手術をするため、ボトックス注射を受けていたのではないかという疑惑もある」とも述べた。一、二審は「悪意による名誉毀損」だとして、パク被告に懲役3年、執行猶予4年を言い渡した。
しかし、大法院は同日、「パク被告の発言は(事実摘示ではなく、)『それほどの疑惑まで浮上しているので、当時の大統領の行動を明らかにすべきだ』という意見を強調したものだ」とし、「大統領の職務遂行が適正かどうかに関する批判であって、その部分は特に表現の自由が幅広く保障されるべきだ」と指摘した。
法曹界からは「裁判所が前職・現職の大統領で異なる法理を適用している」との批判が出ている。大田地裁は昨年6月、大学構内に文在寅(ムン・ジェイン)大統領を批判する壁新聞を張った20代の男に「建造物侵入」の罪で罰金50万ウォン(約4万8000円)の有罪判決を下している。また、ソウル中央地裁は昨年8月、「文在寅は共産主義者だ」と発言したとして、名誉毀損の罪で起訴された高永宙(コ・ヨンジュ)元放送文化振興会理事長に対する二審で一審の無罪判決を破棄し、懲役10月、執行猶予2年を言い渡した。