韓国を巡る微妙な流れは、既に米中アンカレッジ会談ではっきり現れていた。米国のトニー・ブリンケン国務長官は当時、先に行われた韓日歴訪に言及しつつ「同盟から、中国政府の措置に関する深い懸念を聞いた」と発言した。すると中国の王毅外相は「われわれは彼ら(韓日)の提起する不満を知らない。米国だけの見方ではないか」と言い返した。王毅外相がその後すぐに米日豪の関係だけに言及したのは、韓国を切り離したいという意図だと解釈されている。中国現代国際関係研究院(CICIR)のチェン・ユ研究員は「2プラス2で韓国は、米国や同盟諸国の反中発言を支持しなかった」とし「韓国は盲目的に米国に依存しないだろう」と語った。
実際、米日2プラス2会議の共同声明は香港や新彊などにおける人権問題など「中国の急所」を直接突いたが、これに続く韓米共同声明には「中国」という単語すら含まれなかった。むしろ、鄭義溶長官は当時「米国と中国のうち一方を選ぶのはあり得ないこと」と発言した。ブリンケン長官が「米国外交の中心に人権がある」と言うと、青瓦台(韓国大統領府)は「(人権より)優先して解決すべきことは多い」とコメントした。
北朝鮮も米国に対する交渉力強化のため、中ロとさらに密着しつつある。駐ジュネーブ北朝鮮代表部の韓大成(ハン・デソン)大使は先週、国連人権理事会における演説で、米国による中国の人権問題の指摘を「内政干渉」「虚偽・捏造(ねつぞう)」だとした。北朝鮮外務省も21日、西側諸国に向けて「人権犯罪者が人権をうんぬんしている」と非難した。
中国中央テレビなど中国の国営メディアはこの日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が習近平国家主席に対し、朝中関係を「世界がうらやむ関係」へと強化・発展させることが北朝鮮の変わらぬ立場だと表明した-と報じた。これに対し習主席は「われわれは新たな形勢の下、北朝鮮の同志たちと手を取り合って努力したい」とする口頭親書を駐中北朝鮮大使に伝えた。