国務省がエネルギー、インターネット分野での日本との協力を強調した点も注目に値する。エコロジー転換のためのエネルギー市場の拡大は、バイデン大統領が候補者時代から主要政策として訴えていた事案だからだ。また、米国が中国に脱石炭を要求し、圧力を加える分野でもある。IT分野でも米国はファーウェイ(華為技術)など中国企業の台頭をけん制している。国務省はこの日の資料でも、中国を意識し「米日は5Gネットワークなどインターネットの基盤設備の拡充において信頼できる企業だけを利用することに専念している」と明言した。
国務省はこの日、日本が中国と領有権争いを繰り広げている尖閣諸島(中国名:釣魚島)が米日安保条約第5条の適用範囲に該当するとの立場も繰り返した。東シナ海の現状維持に反するいかなる一方的な試みにも反対するとして、条約に基づき、中国が尖閣諸島を攻撃した場合には日本の自衛隊と共に即座に対応に乗り出すと約束したのだ。国務省はその上で、日本に駐屯している米軍の数や軍事力の規模についても再度強調した。
韓国に関しては、韓米日の3か国協力の重要性を明言し、別の小題目を設けた。しかし、「バイデン政権は同盟との関係はもちろん、同盟同士の関係強化にも努力する」「いかなる関係も韓日関係より重要ではない」と短く言及するにとどまった。これは、ソン・キム米国務省次官補代行(東アジア・太平洋担当)が今月4日、米国のシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」がオンラインで主催した米日安保セミナーで発言した内容と一致する。米国はこれまで、韓日関係が悪化するたびに自国のインド・太平洋戦略に及ぶ悪影響を懸念し「パートナー同士は隙間なく歩み寄るべきだ」と改善を求めてきた。
米日協力と韓日協力に温度差があることは、これまでも指摘され続けてきた。特に▲韓国より先に米日首脳の電話会談が行われた点▲韓国より早く両国が米軍駐留経費特別協定の延長に合意した点▲ミャンマーのクーデター発生時に米国が真っ先に日本に電話した点-などが、米国の重点が日本に傾いたとの見方を裏付けた。こうしたことに加え、米国務長官と国防長官が最初の外国訪問先として日本を選んだことで、韓国が日本より後回しにされる懸念が一層高まっている。
日本の菅義偉首相が、4月9日にバイデン大統領と対面での首脳会談を予定していることも明らかになった。会談が実現すれば、菅首相は外国の首脳として初めてバイデン大統領と対面することになる。