主要機関では既に天下り人事が完了したところが多い。大統領選で選対に加わった廉弘チョル(ヨム・ホンチョル)元大田市長はセマウル運動中央会長、済州市選出で国会議員を3期務めた金宇南(キム・ウナム)元議員は韓国馬事会長、青瓦台の潘長植(パン・チャンシク)元青瓦台雇用首席秘書官は韓国造幣公社社長に就任した。与党関係者は「任期が1年残された今が人事の最後の機会だ。今任命されれば3年程度の任期が保障される」と述べた。昨年10月の野党国民の力の資料によれば、公共機関長の3人に1人が大統領選対など文大統領寄りの人物で占められているという。
与党からは金恩京(キム・ウンギョン)元環境部長官に対する「ブラックリスト」事件の判決が天下り人事に警鐘を鳴らすどころか、むしろ人事の名分になったとする分析も聞かれる。金元長官は任期が保障された傘下機関の役員に辞表を提出させたとして実刑を言い渡された経緯があり、天下り人事はやめろという判決なのだが、与党はそれを「任期保障」と解釈している。民主党の関係者は「野党へと政権が交代しても、今任命されれば、任期中に追い出すことはできなくなった」と話した。