取り締まりの主体となる各組織は「方法がない」として互いに責任を押し付け合った。警察は「冠婚葬祭は集示法(集会および示威に関する法律)の対象ではない」として「取り締まりの主体であるソウル市が『モニタリングの後、事後告発の措置を取りたい』と通知してきたので、別途に動員をかける手段がなかった」と釈明した。ソウル市は「告別式の行事が進められる広場は開放された場所で、四方から入ることができ、コントロールする手段がなかった」とコメントした。
一般市民を対象にした防疫守則違反の取り締まりは成果にしてきた警察や自治体が、互いに「手段がない」と言い出したのだ。2月21日、ソウル地方警察庁は「瑞草区と江南区の遊興酒店(キャバクラなどの風俗店)を予告なしに点検し、防疫守則に違反した10カ所を摘発、53人を立件した」という報道資料を出した。ソウル市は22日、告別式主催者などについて告発措置を取りたいと表明した。法律に基づき事後措置を取ったのだから全ての手段を尽くした、と言っているように聞こえた。現行の感染病予防法は「感染病を予防するため、次の各項に該当する全ての措置を取らなければならない」と定めている。コロナ問題が深刻な折、ソウルの中心部におよそ1000人が集まっている間は手をこまねいて傍観し、後になって処罰するとしたら、それは「予防」といえるのかどうか疑問が湧く。
チェ・アリ記者