検察は、A氏が具体的な疎明資料を提示できていないと控訴したが、二審もA氏側の訴えを認めた。二審は2019年、「予備軍訓練拒否が原因で発生する各種不利益は長年にわたり被告人の就職、交友関係、社会活動など人生全般に影響を及ぼしている」「疎明資料を提示できていないという事情だけで、被告人の内面の良心が人生に影響を与えずにいる、と簡単には断定できない」と述べた。そして今月25日の大法院でも原審の判断が正しいと見なした。これにより、A氏は代替服務の一環として予備軍1年目から6年目まで刑務所や拘置所で4日間過ごし、清掃や施設管理などをしなければならない。今後A氏のように、非暴力の信念を理由に入隊や予備軍訓練を拒否する場合は、兵務庁の代替役審査委員会に申請し、通過手続きを経なければならない。
一方、憲法裁判所は同日、「訓練不参加者を処罰する予備軍法は基本権を侵害している」として、良心的兵役拒否者たちが起こした違憲法律審判提示・請求を却下した。憲法裁判所関係者は「良心的兵役拒否を認めた大法院判例があるため、各級裁判所が『真の良心』かどうかを解釈すればいい問題だとの趣旨だ」と語った。
一部では、今回の大法院決定で兵役拒否が認定される良心の領域が拡大されることにより、今後の兵力管理に支障が生じる可能性があるとの懸念もある。兵務統計によると、2011年に約136万人に達した徴集・召集対象は2019年に101万人に減少したという。「2022年までに兵力を50万人に削減する」という国防改革政策と人口減少などが合わさった結果だ。与党・共に民主党のシンクタンク「民主研究院」は2019年の報告書で、「2025年から兵力不足問題が発生する」と予想していた。