第22師団の監視カメラにこの男性が最初に映った時間は、当初韓国軍が発表していた午前4時20分よりも3時間ほど前だったという。担当者は監視カメラで男性を発見した際、直ちに適切な対応ができなかったようだ。この事態を受け韓国軍は警戒作戦の責任者だった第22師団長を解任し、第8軍団長を「厳重警告」とする方向で検討を行っているという。合同参謀本部も「調査結果によっては厳正に対処する」との方針を伝えた。昨年7月に脱北民が仁川市の江華島で排水溝を通じて越北した事件の際にも、当時の海兵隊第2師団長が解任された。
韓国軍の警戒が立て続けに破られたことで、「南北軍事合意によって監視網に穴があいた」との指摘も出ている。韓国軍は2018年の9・19軍事合意後、非武装地帯(DMZ)内のGP(監視警戒所)10カ所を爆破した。金浦の漢江に設置された鉄柵や東海岸の鉄柵も大量に撤去した。東海岸の警備を担当する第22師団と第23師団も海岸の監視警戒所5カ所を撤去した。このような中で仁川江華島から江原道高城まで東西の海岸鉄柵にいずれも穴があいていたのだ。高城の住民も「いつ武装した北朝鮮軍が入ってくるか分からない」と不安を訴えているという。