順調に株式を上場する企業も相次いでいる。ビジョンファンドは昨年12月、米国で株式を上場したフードデリバリーサービス業者、ドアダッシュに6億8000万ドルを投資したが、保有株式の時価は90億ウォンに増えた。投資収益率に換算すると13倍を超える。
同月に米国で上場したオンライン不動産スタートアップ、オープンドアにも4億5000万ドルを投資し、現在は保有株式の価値が約4倍の17億ドルにまで増えた。ハナ金融投資によると、ビジョンファンドによる投資後に上場した企業の平均投資収益率は3倍近いという。
これにより、19年に1兆円を超える赤字を出し、創業以来最大の危機に直面したビジョンファンドの投資損益は昨年末時点で1兆3557億円の黒字と急速に回復した。
16年に320億ドルを投じて買収し、最近エヌビディアに売却を決めた半導体設計専門企業ARMの企業価値が最近急上昇していることも、孫会長の投資判断が外れてはいなかったことを立証していると評されている。スマートフォンに搭載されるチップの設計で最大手であるARMは最近、パソコン、高性能コンピューター(HPC)、サーバーなどに業容を拡大し、存在感を高めている。
業界関係者は「今年もクーパンだけでなく、中国のカーシェアリング大手、滴滴出行が上場を計画しており、ビジョンファンドの収益率をさらに高める可能性がある。現在ビジョンファンドのポートフォリオに含まれている上場企業の価値が上昇している点も好材料で、『孫正義パワー』は変わっていないことが立証されている」と述べた。