【コラム】5年ごとに王を選んで処刑する国

王は威厳、行政は効率という英国、信頼を基に互いをけん制
王朝の痕跡が見られる「韓国大統領制」、終わりが近づく文大統領の祭り

 韓国の大統領に王の影が見え隠れするのは、何も国民感情のためだけではない。韓国ほど大統領に全ての権力が集中している国はない。OECD(経済協力開発機構)の37カ国のうち、二院制ではなく大統領制を選択している国は、米国やメキシコ、チリ、韓国ぐらいだ(編注:原文ママ)。米国の例を挙げると、米国は人事、予算、監査など何一つとして大統領の思い通りにできない。この点は韓国と全く違う。米国大統領の権限が絶対的に見えるのは大統領制だからではなく、米国の国力のためだ。米議会は、大統領のための多数決要員ではない。この点も韓国の議会とは正反対だ。韓国の大統領は王に負けずとも劣らない権力を有しているのだ。

 王は選ばれるのではなく、神によって権威が与えられ、継承される。しかし、韓国は5年ごとに大統領と呼ばれる王を選び出し、祭りを楽しんだ後、処刑する。数十年にわたって「自分を刺した指を切り落としたい」と言っている。それでもまだ指が残っているのが不思議なほどだ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)、李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は、いずれもそのような過程を通過した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も、お祭りの期間が終わろうとしている。来年、いや今年4月から選挙という名の内戦と王位争奪戦が待ち受けている。負ければ処刑され、勝てば祭りが続くのだから、命懸けにならないわけがない。

 韓国の大統領制は崖っぷちに立たされている。協力が何よりも不可欠だが、毎回失敗を繰り返している。権力分散型の改憲をしなければならないが、大統領選挙の候補や国民は、次の大統領選挙だけを考えている。一晩中降った雪で道路は凍りついてしまったが、除雪しようとする人はおらず、車だけが全速力で走っている。

チョン・ウサン政治部長

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