しかし、金与正氏の談話が昨年12月にあったものの、「康京和長官の地位にはそれほど影響がないだろう」という見方の方が強かった。康京和長官は文大統領の全面的な信頼を得ていると言われていたし、金与正氏が文政権の人事政策を左右しているような印象を与えないためにも、康京和長官をすぐに交代させる可能性は小さいと見ていたためだ。
ところが、金与正談話から1ヵ月あまりで康京和長官が交代になると、官庁街では「金与正に目をつけられたら無事ではいられない」という意味で「金与正デスノート」という言葉が飛び交い始めた。与党関係者は「新型コロナ防疫やワクチンなどで南北協力再開を推進する文政権にとっては、金与正氏が実名で非難した康京和長官の進退を深刻に考えるしかなかったのだろう」と話す。
外交部次官を務めた野党・国民の力の趙太庸(チョ・テヨン)議員は同日、プレスリリースを通じて「五京和も金与正の一言で崩れた」「文政権の外交・安保関連長官人事は北朝鮮の口をうかがい見なければならない状況だ」と語った。