-どれくらい状況が良くないのか。
「2018年の徴用賠償判決以降、不安を訴える人々が出ている。昨年も地方の民団本部に石が飛んできて、ガラスが割れたことが数件あった。ここにも正門前にパトカーがいなければ、右翼が集まってくる」
-日本社会の差別はかなりなくなったのでは。
「違う。今もかなりある。最近は『やはり朝鮮人だな』とよく言われる」
-12日の新年の辞で、「文在寅大統領に『最近の状況は在日僑胞の生死がかかった問題だ』と言った」と言及したが。
「2019年の大阪G20サミット(20か国・地域首脳会合)時の在日僑胞の集まりで、文大統領がいる中でそのように話した。しかし、文大統領の反応はなかった。『在日僑胞が苦労しているのは知っている』という一般的な言葉だけあった」
-「在日僑胞は故郷が二つ」と言ったことがあるが。
「韓国社会がその部分を考えてくれればうれしい。我々には親が生まれた韓国も、自分が生まれた日本も重要な場所だ。在日僑胞はどちらの国にも貢献したい。それが普通の人間として当然ではないか。ところが、『日本に留学した人はすべて親日派』と小さい子どものように話すのがもどかしい」
-2015年に結んだ韓日慰安婦合意が事実上、破棄されたことについてはどう思うか。
「それはあり得ないことだ。もしそれが不平等条約だと考えるならば、外交を通じてそれを正すための努力をすればよい。大韓民国は李承晩(イ・スンマン)政権の時からすべてつながっているではないか。過去の韓日合意を批判するのはいいが、合意の正当性を認めなければ根本が崩れる」