しかし「北朝鮮エイタクムス」と呼ばれる新型ミサイルと600ミリ超大型放射砲の場合、弾頭の直径や重量などから推測すると、「これに装着する戦術核弾頭については、北朝鮮は現時点で開発できていない可能性が高い」と韓国軍当局はみている。ある韓国軍筋は「北朝鮮はまだ核弾頭を重さ300キロ、直径60センチ以下では開発できていないようだ」と伝えた。
韓国軍当局は北朝鮮のミサイルの脅威に対抗し、ミサイルの移動式発射台を早期に探知し、30分以内にこれを無力化する「キル・チェーン(戦略標的打撃)」、さらにミサイルを迎撃する韓国型KAMD(ミサイル防衛システム)を発展させている。しかし北朝鮮が新型戦術ミサイルや超大型移動式放射砲の発射台を数十基以上製造・配備した場合、これらを短時間で探知し破壊するのは現実的に不可能とみられている。また同時に数十発が飛来した場合、従来のパトリオットPAC3ミサイルやTHAAD(高高度ミサイル防衛システム)による迎撃も難しい。とりわけ北朝鮮の新型戦術ミサイルは迎撃を回避できる変則起動が可能だ。
上記の韓国軍筋は「北朝鮮が戦術核を実戦配備すれば、韓国軍の通常兵器における質的優位も事実上消滅する」として警戒を示した。