朴範界氏は朴元淳(パク・ウォンスン)前ソウル市長のセクハラ事件が発覚すると、「朴市長はクリーンな方だ」とかばった。セクハラは深刻な違法行為だ。その被害者がいるのに、どうしたらそんなことが言えるのか。犯罪被害者を踏みにじり、犯罪加害者を美化する人物が法務部長官になれるのか。
チョ・グク前法務部長官は子女の不正入学、違法な私募ファンド投資などで満身創痍(そうい)になった。秋美愛・現法務部長官は息子の休暇優遇疑惑で捜査を受け、政権を捜査する検事に対する制裁人事や指揮権発動、尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長の職務停止と強引な懲戒、携帯電話のパスワード解除法などで「無法長官」という汚名を着せられた。
大半の国民は歴代政権の法務部長官の名前を覚えていない。捜査を行う機関ではなく、法務政策を担当する機関だからだ。法務部は本来そうあるべきだ。ところが唯一文在寅(ムン・ジェイン)政権では任命される長官ごとに不法、脱法の物議が絶えない。大統領が法務部長官のポストを政権の不正に対する捜査を阻止する盾だと考え、自分の側近を相次いで据えてきたからだ。検証はされず、ひたすら考え方や価値観が同じかどうかで任命した。朴氏に明らかになった不適格事由にも大統領は知らんぷりするはずだ。