また、9月の鄭銀敬(チョン・ウンギョン)疾病管理庁長任命状授与式では、出席者が多くて「ソーシャルディスタンス(社会的距離)が守られていない」と物議を醸し、とうとう鄭銀敬庁長が「恐縮している」と謝罪する事態になった。同月のデジタル・ニューディール文化コンテンツ産業戦略報告会は、北朝鮮による韓国人公務員銃殺事件が報道された翌日にアカペラ公演なども含めたまま強行されて批判された。
今月10日、地上波放送局3社・6局を通じて全国に白黒映像で生中継された文大統領の「大韓民国カーボンニュートラル宣言」も物議を醸した。行事後、KBS労働組合は「青瓦台儀典秘書官・王(のような)プロデューサー時代」と称し、卓賢民秘書官が「指針」を作り、放送局の画面演出方式など全般に介入したと主張した。卓賢民秘書官はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上で「青瓦台の行事責任者が演出し、KBS中継チームが演出案通りに放送することのどこがおかしいんだ」と反論した。
行事進行とは別に、卓賢民秘書官のSNSなどを通じた「自画自賛」が行き過ぎだという声も聞かれる。側近は大統領を目立たせなければならないのに、自分の成果ばかり浮き彫りにして注目を浴びようとしているのではないか、という指摘だ。卓賢民秘書官は最近、大統領行事が終わるたびに、SNSの自身のアカウントに後書きや感想を書いている。主に「悩んだ末に生まれたものだった」と企画意図を紹介するものだ。
今月11日の文大統領の公共賃貸集合住宅視察では、移動を促す卓賢民秘書官らに向かって、文大統領が「いや、違う、違う。建物の周辺が重要なのに、何も知らずに入って(どうするんだ)」とたしなめる場面があった。ある与党関係者は「今回の行事も、実際の居住者たちが暮らしている姿を大統領が直接視察なさるのが趣旨に合っていただろう」と言った。
安俊勇(アン・ジュンヨン)記者