チョン被告とチョ前長官の共謀は証拠隠滅についても認められた。チョン被告は事件の捜査が始まった直後の昨年8月、証券会社社員のキム・ギョンロク氏に自宅のパソコンのハードディスクを交換させたほか、東洋大からパソコンを搬出させるなど証拠隠滅を指示したとして起訴された。ソウル中央地裁は「チョン被告は夫と共謀し、捜査に備える意図でキム・ギョンロク氏に自宅のパソコンのハードディスクと東洋大の教授研究室のパソコンを渡し、それを隠匿させた」と指摘した。ただ、この部分はチョン被告が「させた」のではなく、「共に加担した」ものであり、防御権行使の一環と見なされ、処罰対象とはされなかった。
チョ前長官の容疑にもキム・ギョンロク氏に証拠隠滅を指示したとする部分がある。チョン被告の裁判の結論がチョ前長官に有利となる可能性もあるが、検察関係者は「キム氏と共にパソコンを搬出し、ハードディスクを隠匿したチョン被告とは異なり、チョ前長官は直接行為に加担せず、『させていた』場合には有罪判決が出る可能性がある」と指摘した。
チョン被告の私募ファンド関連容疑で、チョ前長官の共謀には言及がなかった。ただ、裁判所は量刑理由として、「幹部公務員の妻として、公職者倫理法に従い、財産申告なに誠実に応じる法的義務があるにもかかわらず、他人名義での取引などをした」と指摘した。チョ前長官は「白紙信託違反罪」「公職者倫理法違反」で起訴されている。幹部公務員は3000万ウォン(約281万円)を超える株式に処分義務があるが、それに反し、コリンクPEを通じ、事実上の株式投資を行い、財産申告にもそれを含めていなかった容疑だ。ある弁護士は「チョン被告の量刑理由がチョ前長官の関連容疑に影響を与えることもあり得る」と述べた。