原発・選挙介入・ライム・オプティマス…政権の急所突いて追放された尹総長

 オプティマスファンド事件でも与党関係者の関与を示す文書が明らかになり、オプティマス関係者が「李洛淵(イ・ナギョン)民主党代表に1000万ウォン(約94万円)相当以上の家具やオフィス什器(じゅうき)などを提供した」と証言したとされる。しかし、与党関与疑惑の捜査は遅々として進んでいないと指摘されている。秋長官は18年、尹総長がソウル中央地検長だった時代、オプティマスファンドによる詐欺告発事件を嫌疑なしとしたことをむしろ問題視し、監察を指示した。

 今年1月に宋哲鎬(ソン・チョルホ)蔚山市長をはじめ、現職と元の青瓦台関係者ら与党幹部13人を起訴した青瓦台蔚山市長選挙介入疑惑事件は、4月に与党が総選挙で勝利して以降、任鍾晳(イム・ジョンソク)元青瓦台秘書室長らに対する追加捜査が足踏み状態だ。捜査班は李震錫(イ・ジンソク)青瓦台国政状況室長の起訴を検討したが、それも秋長官による捜査班解体と相次ぐ人事異動で勢いを失ったとされる。一部にはこうした捜査もみ消し行為が将来問題になることに備え、一線検事が外圧や不当な指示などを記録として残しているという説もある。

 こうした秋長官の「検察掌握」は主な捜査指揮系統ごとに存在する「政権寄り」検事の積極的な協力なしには不可能だったとされる。文在寅大統領の大学の後輩で蔚山市長選挙介入事件とオプティマス事件を捜査している李盛潤(イ・ソンユン)ソウル中央地検長、秋長官の人事聴聞会準備団出身で検察人事を統括する沈載哲(シム・ジェチョル)法務部検察局長が代表例に数えられる。

 同じく秋長官の人事聴聞会準備団のメンバーだった李種根(イ・ジョングン)大検察庁刑事部長とその妻で尹総長の監察を直接実行した朴恩貞(パク・ウンジョン)法務部監察担当官、チャンネルA事件と韓明淑(ハン・ミョンスク)事件で尹総長と対立し、秋長官の監察権乱用に呼応していた韓東洙(ハン・ドンス)大検察庁監察部長なども政権寄りとされる。ソウル中央地検第1次長としてチャンネルA事件を指揮した李定ヒョン(イ・ジョンヒョン)大検察庁公共刑事捜査部長、ソウル中央地検第3次長としてKBSの「韓東勲発言録誤報」への関与疑惑が指摘された申成植(シン・ソンシク)大検察庁反腐敗・強力犯罪部長ら現在の大検察庁幹部は秋長官が検事長に昇進させた人物だ。

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パク・グクヒ記者 , リュ・ジェミン記者
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