■日本の研究陣、薄い圧力センサー開発
東大の李成薫講師の研究陣も皮膚に付着できるとても薄い圧力センサーを開発し、サイエンスに20日発表した。センサーを指に付けると、物体と指の相互作用を測定でき、それを医療データなどに活用できると期待される。
人は手でさまざまな作業を行うので、科学者は手と指の動きを記録しようとする。それはスポーツや医学、工学などに役立つが、データ収集は容易ではない。
李講師は「指先は極度に敏感で、実際には数百万の1の厚さでも感覚に影響を与えかねないため、指用のウエアラブルセンサーは極度に薄くなくてはならず、摩擦や物理的動作の反復で損傷しやすい」と説明した。
東大物理工学科を卒業し、同校で修士、博士課程を終えた李講師は現在、東大大学院工学系研究科の講師として在職している。
研究陣はそれを克服するため、薄いながらも多孔性の特殊素材を開発した。センサーは2層で構成される。一つは毛髪の約500分の1の200-400ナノメートルという薄さの絶縁ポリウレタン製の網だ。もう一つの層は金で作った電子部品で、2層によって圧力を感じる。
実験の結果、センサーは皮膚の敏感度に影響を与えないことが分かった。つまり、センサーを付着していない場合と比較し、大きな差を感じないという意味だ。そして、センサーは100キロパスカルの力(大気圧に相当する力)で300回こすっても破損することなく、圧力センサーとしての性能を保った。