韓国の政府と企業はEVバッテリーを「第2の半導体」と位置づけて投資を拡大している。バッテリー産業の育成は韓国版ニューディールの主要課題にも挙げられている。しかし、火災原因に対する責任の所在によっては膨大なリコール費用をバッテリーメーカーが負担しなければならなくなる可能性がある。さらに大きな問題はEVが安全ではないという認識が拡大すれば、販売に支障が生じかねないことだ。
大半の証券会社のアナリストはEV市場の拡大とバッテリー販売量の増大を予想している。しかし、リコール問題を懸念する投資家が少なくないことも事実だ。
バッテリー各社はひとまず火災原因がバッテリーセルの不良とは言えないとする立場を取っている。LG化学は10月8日、国土交通部がコナEVの火災原因として、バッテリーセルの不良の可能性を指摘した際、「再現実験では火災が起きなかった。原因がバッテリーセルの不良と言うことはできない。国土交通部は正確な原因を究明していない状態で発表を行った」と主張した。
バッテリーメーカー関係者は「EVでの火災発生比率が内燃機関車の火災発生比率と比べ特に高いともいえない」と述べた上で、「EVの販売が増え、安全性論争が起きることは一種の通過儀礼ととらえるべきだ。EV市場をリードするため、火災原因と安全性を引き続き検証し、消費者の信頼を高めていく」と強調した。