【コラム】イケアとユニクロが難民支援に積極的な理由

 実質的な利益を期待して難民問題に関心を持つケースは多くない。だが、長い目で見ると、期待できる実益がないわけではない。物理学者アルベルト・アインシュタイン、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ、「ピアノの詩人」ショパンなど人類の文明に多大な貢献をした天才たちのうち、難民家庭の出身者が少なくないことあらためて思い起こさせようというわけではない。

 今年春まで国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表を務めていたダーク・ヘベカー氏は駐韓代表だった時、記者に「(難民が多く発生する)シリアと中央アフリカ共和国、マリに平和が来たら、住民は冷蔵庫やテレビ、家具に至るまですべてを新調しなければならないだろうから、韓国企業が今、これらの国々の難民を人道的な見地から支援すれば、彼らも韓国企業のことを忘れないだろう」と言った。

 同氏はまた、「情報技術(IT)分野で強みを持っている韓国企業が技術支援を通じて難民たちの教育を手助けすれば、関連企業のイメージアップに役立つだろう」とも言った。高いレベルの教育を受けた人々が増えれば戦後の復興が早まり、復興作業が順調に進めば韓国企業にとってもビジネスチャンスが増える可能性が高いということだ。

 有名グローバル企業の中に、難民支援をCSR(企業の社会的責任)活動として行う企業が少なくないのも、同様の理由からだろう。

 スウェーデンの「家具界の恐竜」イケアは2015年、発光ダイオード(LED)照明の販売収入の一部をUNHCRに寄付するというキャンペーン「難民に明るい人生を(Ikea’s Brighter Lives for Refugees)」を展開、約350億ウォン(約32億円)を集めた。イケアは昨年もヨーロッパ最大の通信会社ボーダフォンや、デンマークの玩具メーカー・レゴなどと共に難民の自給自足を支援するための職業訓練や自営業開始訓練費用として300億ウォン(約28億円)近い支援を約束している。

 日本では、グローバル・アパレルメーカーのユニクロが毎年3万着の衣類を世界中の難民キャンプに送るなど、難民支援に積極的だ。このほかにもマイクロソフト(MS)、ソニー、米国の宅配便会社UPS、カタール航空などがUNHCRと長期的な協力関係を構築している。

■「世界で最も住みやすい国」2020年版発表、韓国17位、米国28位、日本は?

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