青瓦台(韓国大統領府)の盧英敏(ノ・ヨンミン)大統領秘書室長が最近、過労やストレスなどで歯を数本抜いたという。文在寅(ムン・ジェイン)大統領、イム・ジョンソク元室長などかつての青瓦台秘書室長が歯の問題で苦労したジンクスが、盧室長にも受け継がれたのだ。過労とストレスは歯茎の血流量を減らし、免疫力を低下させ、歯周病を引き起こす。唾液の分泌量も減少し、細菌感染の端緒になる。これを放置すると、歯の喪失につながりやすい。
歯科医師らは「歯がなければ歯茎で生きる」という言葉を嫌う。実際、歯の状態が良くないと栄養不足で老衰が早々と訪れ、認知症の危険が増し、糖尿病も悪化する。ここから、口腔(こうこう)は全身の健康のゲート(gate。入り口)だと言われる。歯はずっと使い続ける臓器なので、疾患が発生した際、初期の措置が遅れるとすぐに悪化する傾向がある。青瓦台の医務室に歯科を置くことを勧める。仕事がきつい職場は、歯科診療へのアクセシビリティーを高めなければならない。それでなくとも、誰もが歯を食い縛って生きていくつらい時期だ。歯が楽な世の中はいつ来るのかと思う。
金哲中(キム・チョルジュン)医学専門記者