しかし、韓国が大陸の隣人の側に確実に傾いていることは国民感情とかけ離れて見える。戦略国際問題研究所(CSIS)が先週、韓国国内の専門家と一般人を対象に調べた「未来の米中政策設計」によると、米国より中国との協力を優先すべきだとの回答は4%にすぎなかった。「中立を守るべきだ」という回答も17%にとどまった。10月初めに発表された米世論調査機関、ピュー研究所の調査によると、「習近平国家主席が世界問題に対しうまくやっているか」との質問に韓国人の83%が「そう思わない」と答えた。前年より9ポイント増えたが、これはオーストラリアや米国の人々よりも否定的な反応だった。中国に好感を抱いているかある程度好感を抱いているという人の割合は24%だった。CSISの調査では、文在寅政権は国民との見方の差があまりに大きかった。韓国国内の経済・国家安全保障専門家のうち76%が華為を5Gネットワークから切り離すべきだと答え、新型コロナウイルスについては、中国政府が適正に対処できなかったと答えた人が韓国では79%に達し、オーストラリア(73%)を上回った。オーストラリアの政策は国民感情や社会の共通認識を十分に代弁している。しかし、韓国は異なる。文在寅政権と国民感情の隔たりがあまりに大きい。
ビクター・チャ=米戦略国際問題研究所(CSIS)韓国専門家