多くの中国人は、このように周辺国の歴史的状況や傷跡に鈍感かつ無知なケースが多い。2006年、ハルビン市に立てられた安重根(アン・ジュングン)の銅像が「外国人の銅像は駄目だ」という理由で当局によって撤去される際、ある中国人が「ソウルに毛沢東の銅像を立てたりするのと同じじゃないか」と言った。その中国人にこう言ってやった。「その二つのケースがどうして同じなのか。ハルビンから見ると、安重根義士は自分たちに代わって帝国主義と戦ってくれた英雄ではないのか? 逆にソウルから見れば、毛沢東は1951年1月に大兵力を動員してソウルを武力占領した侵略者ではないか」
EXOのレイ、f(x)のビクトリアなど中国出身のアイドル歌手が、中国軍参戦70周年に合わせてソーシャルメディアに「抗美援朝70周年記念」「英雄に敬意を表する」などの文章をアップし、物議を醸している。習近平国家主席が「米国の侵略に立ち向かった正義の行動」うんぬんと言ったのと歩調を合わせるかのような発言だ。あのころ彼らの政府がスターリン、金日成(キム・イルソン)と手を組んで、その「英雄」たちを韓半島へ送り、武力で地球上から抹殺しようとしていた国は、今彼らが芸能活動を行ってカネを稼いでいる、まさにその国ではないのか? もし毛沢東の「抗美援朝」が計画通りに行われ、韓半島全体が五星紅旗で赤く染まっていたら、韓国政府が当時の米国の秘密作戦通り、韓国の面積の0.1%程度にとどまる南太平洋のサイパン島やテニアン島に亡命していたこともあり得る。おそらく、Kポップや韓流のようなものが生まれるのも困難だっただろう。
兪碩在(ユ・ソクチェ)記者