文在寅(ムン・ジェイン)大統領や丁世均(チョン・セギュン)首相らが最近、他国の首脳と電話・手紙外交をして総力戦を展開しているのは、日本のネガティブ・キャンペーンの動きをキャッチしたからだ、という分析もある。韓国政府は、青瓦台の金尚祖(キム・サンジョ)政策室長をチーム長とするタスクフォース(TF)を構成、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官らが毎日2-3件関連日程をこなすほど、今回の選挙に力を入れている。
しかし、コンセンサス(満場一致)方式で事務局長を選出するWTO選挙の特性上、日本が最後まで韓国に反対すれば、兪明希氏の選出は非常に難しくなる。このため、韓国政府周辺では、「昨年、与党が大々的な反日・不買運動の先頭に立ったのが痛い」という声も上がっている。昨年、韓国政府が福島産水産物輸入禁止関連のWTO紛争で日本に勝利した時、青瓦台が「前例のない勝利」などの表現で日本を刺激したことも、兪明希候補の公正性を問題視する声を裏付けしている。
元外交部幹部は「予想に反して(兪明希氏を)最終投票まで進出させたのは鼓舞的だが、日本のヴィートー(veto=拒否)で当選できなければ、対日外交責任論が浮上するだろう」と語った。次期事務局長選出のための投票は27日に始まり、早ければ来月初めに大勢が判明するものと予想される。
こうした中、日本の菅義偉首相は26日に召集された臨時国会の所信表明演説で、「韓国は極めて重要な隣国」「健全な日韓関係に戻すべく、我が国の一貫した立場に基づいて、適切な対応を強く求めていく」と述べた。日本の徴用被害者賠償問題に関して韓国の責任を重ねて強調したものとみられる。