「今は売れているが暗雲立ちこめている」… K-POPに毒舌浴びせた独国営放送

ドイチェ・ヴェレ「アイドル育成システムは五輪選考会並みの過酷さ」
「過度に否定的な描写は短見」との指摘も

 また、「ネットフリックスのドキュメンタリーは、デビューを夢見て挑戦しながらも脱落した候補者たちに視線を向けていない」と批判した。「10代の若者たちがアイドルとしての成功を夢見て、友人や家族を後にしてアカデミー(養成機関)に集まったものの、才能がないなどの理由で脱落し、失敗した人間だと汚名を着せられる」とも述べている。

 さらに、「ドキュメンタリーがBLACKPINKを表面的にのみ取り上げたのは、ネットフリックスや彼女たちの所属事務所との業務関係からだ」「成功に向かう旅路での暗い面は、どんなスキャンダルも許されないK-POPスターたちのきれいなイメージと合わない」と皮肉った。そして、「一定期間恋愛が禁止される行動規範を順守しなければならないBLACKPINKのメンバーたちにヒット曲『Lovesick Girls』は新たな意味として迫ってくるだろう」とも書いている。

 ドイチェ・ヴェレの記事では、行き過ぎだと思われるほどK-POPを否定的に見つめる視線と共に、韓国大衆文化界に対する浅く偏狭な見方も感じられる。例えば、「K-POPに暗雲が立ちこめている」という見出しの下に「2012年にリリースされたPSY(サイ)の『江南スタイル』がK-POP現象の『愉快な関門』の役割をしたとしたら、今は(『江南スタイル』のように)面白さに集中するのは、競争が激しいK-POP界の法則ではない」としている。曲が『江南スタイル』のようにコミカルでないことがまるで問題であるかのように言っているのだ。

 また、「論争となる問題が発生した時は、(自分の意見を自由に言わずに)沈黙を守ることこそ、長い間受け入れられてきた方法」「このため、BTSが米国の黒人差別反対運動『Black Lives Matter(黒人の命も大切だ、の意)』に100万ドル(約1億円)を寄付したことがどんなに難しいことだったか、韓国のメディアは当初は知る由もなかった」とも述べた。

 記事最後の方には、韓国芸能界で昨年起こったさまざまな事件・事故をまとめたフォト・ニュースを添えて、「K-POP:スキャンダルと悲劇の2019年」というタイトルをつけている。

■外国人に聞く、韓国を代表するイメージ1位は?

鄭智燮(チョン・ジソプ)記者
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