【コラム】法治を破壊する最高の技術者は法律家

判事出身の与党議員が発議した法案
独裁者の司法掌握方式に等しい
既に法律を揺るがす金命洙大法院
法律家、法治破壊の先鋒となるのか

 野党の判事出身議員3人組が裁判所を「改革」するといって提出した法案にもそれなりの趣旨はある。「大法官1人が処理すべき事件があまりに多く、大法官の構成を多様化する必要がある」「司法行政と裁判官人事に外部の統制と関与を可能にすべきだ」という点だ。しかし、そうした裁判所改革の論理が現実では三権分立という民主国家の中核システムを崩壊させ、司法府を政権の召し使いに転落させる結果を生んだ。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が任命した金命洙(キム・ミョンス)大法院長率いる体制で既に法律は揺らいでいる。李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事、殷秀美(ウン・スミ)城南市長、チョ・グク前法務部長官の弟など与党関係者についてはあらゆる無理な論理で無罪判決、減刑判決を下した。また、文大統領に批判的な壁新聞を大学キャンパス内に張った青年に対しては、大学が処罰を望まないと言っているにもかかわらず、有罪判決を下した。ハーバード大のスティーブン・レビツキー教授は著書「民主主義の死に方」の中で、「独裁者は法律を差別的に適用し、政敵を阻み、同志は保護する強力な武器を手に入れる」と指摘した。独裁かどうかは分からない。しかし、現在の韓国の裁判所が政権の敵を阻み、同志を保護しているわけではないと言えるだろうか。

 独裁政権下では合法と不法がいつでも入れ替わる。合法の名の下で暴力が日常化した。そうやって法治を破壊した最高技術者は常に裁判官と法律家だった。

チョ・ジュンシク副局長兼社会部長

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