すると北朝鮮ではなく経文協が異議を申し立てた。「供託された著作権料を受け取る主体は朝鮮中央テレビや北朝鮮で発行された図書などの原著作者であり、北朝鮮ではない。そのため供託された著作権料で慰謝料を支払ってはならない」というのがその理由だ。異議申し立てを受け、ソウル中央地裁民事控訴部は問題の差し押さえ・取り立て命令を巡り改めて判断を行っている。韓国軍捕虜側の弁護人を務める法務法人セチャンのキム・ヒョン弁護士は「原著作者がそれぞれの権利を主張することが社会主義国家の北朝鮮で容認されるのか」「経文協は無理な論理によって賠償の手続きを遅延させている」と主張した。
キム弁護士はさらに「差し押さえ・取り立て命令を受けたとしても、経文協側が支払いを拒否すれば、結局は別の差し押さえ請求訴訟を通じて受け取るしかない」との理由で新たな訴訟が避けられないとしている。そうなった場合、元捕虜たちへの支払いには短くて6カ月、長ければ1年以上はさらにかかる見通しだ。