康京和外相、米国のクアッドに「良いアイデアではない」

来月のポンペオ米国務長官との会談を前にはじめて反対の立場を明言

 康長官の発言をめぐっては「前後の辻褄が合わない」との指摘も出ている。康長官が「他国の利益を排除してはならない」との理由で否定的な立場を示したクアッドは、米国が同盟国の積極的な参加を期待する核心的な安保協議体だからだ。複雑にからみあった安全保障と経済を明確に分離し、異なった対応を取ることについても「非現実的」との指摘もある。米国は、通信企業ファーウェイなどを通じて中国に制裁を加えているが、その主な根拠として「通信技術を通じた安全保障上の脅威」を上げている。これは経済と安全保障が絡み合った糸のように複雑に関係していることを示す事例だ。

 韓国の外交政策トップが米国の団体主催の会議で、しかも米国務長官の来韓を前に、米国の政策に批判的な発言を行ったことについても「不適切」との指摘がでている。韓米防衛費分担金交渉など、韓米間の懸案に否定的な影響を及ぼしかねないとの懸念もある。これに先立ち米国務省は今年6月、駐米韓国大使が米中間で明確な立場を示せないことについて、「韓国は数十年前、すでに(米中間で)どちらの側に立つかを選択した」とする異例の論評を出した。ある外交官幹部OBは「先月末に来韓した中国共産党の楊潔チ・政治局委員が『米国の側に立つな』と圧力を加えたことが、韓国政府の対米・対中戦略にかなりの影響を及ぼしているようだ」との見方を示した。

ノ・ソクチョ記者
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