最後の瞬間まで布団で火の手を塞いで8歳の弟を守ってあげたのは10歳の兄だけだった

「母親が兄弟を虐待」住民が3回も通報…助けてくれるところはなかった

 児童保護専門機関は、Cさんが子どもたちに手を出すなど暴力を行使していると疑われる状況があり、子どもたちだけを残して家を空けるケースがひんぱんにあるという事実を確認し、警察に放任虐待の件で捜査を依頼した。今年5月29日には、仁川家庭裁判所に対し、母親と兄弟を隔離して保護する命令を出してほしいと請求も行った。しかし家裁は8月27日、隔離よりは心理カウンセリングが望ましいとして相談委託保護処分の判決を下した。これによりCさんは週に1度、6カ月にわたり専門機関のカウンセリングを受け、A君兄弟は12カ月間のカウンセリングを受ける予定だったが、コロナ問題のため最初のカウンセリングもまだ行われていなかった。警察は、母親CさんがA君兄弟を放任虐待した疑いがあるとみて、8月末にCさんを児童福祉法違反の容疑で在宅立件した。

 母親Cさんは火災当日の9月14日、消防当局の調べに対し「前日外出して、知人の家に滞在した」と主張した。兄弟は現在、ソウル市内の病院の火傷重患者室にいる。Cさんは17日夕の遅い時間まで、病院に姿を現さなかった。同日午後、Cさんの弟だけが兄弟と面会しにやって来た。Cさんの弟は「姉はショックがひどく、対話が難しい状況」だとしつつ「姉が子どもたちについて自分は関係ないと言ったというのは事実ではない」と語った。

 一方、A君兄弟に対する後援の問い合わせも続いている。後援を主管する社団法人「ハクサン分かち合い財団」などによると、事件のことが知られた16日午後から、兄弟に対する寄付の問い合わせ電話が相次いでいる。財団側は、寄付者が寄付金の用途を指定して寄託できる「指定寄託」を、A君兄弟に代わって受ける予定だ。

 兄弟が居住するヨンヒョン洞行政福祉センターや弥鄒忽消防署にも、子どもたちを助ける方法はあるかという問い合わせの電話がかかってきている。行政福祉センターの関係者は「母親についての記事が出た後、鈍りはしたが、依然として子どもたちを助けられる方法を尋ねてくる人は多い」と語った。また仁川消防本部も、A君兄弟に「119ウォンの奇跡」募金で治療費500万ウォン(約44万6700円)を支援することとした。

■子どもが住みやすい国8位は韓国、日本は?

コ・ソクテ記者 , ナム・ジヒョン記者
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