韓国政府は3日、政府予算(3兆ウォン)と国策銀行の出資金(4兆ウォン)に銀行と年金・基金など民間資源(13兆ウォン)を合わせた20兆ウォン(約1兆7900億円)規模の「政策型ニューディールファンド」を骨子とするニューディールファンド創設計画を表明した。税金で損失を補填する官製ファンドだという批判が持ち上がった。
CLSAは「文在寅政権はニューディールファンドが市中の流動性を生産的なところに移動させ、不動産価格(の上昇)を止めることができるだけでなく、国民に資本利益を上げさせ、票も集められる一石二鳥の効果を期待しているようだ」と皮肉り、「政府の直接的な市場介入に驚愕を禁じ得ない」と指摘した。そして、「このファンドの構造はモラルハザードを招く典型的な事例であり、クラウディングアウトを招く」と懸念を表明した。クラウディングアウトとは政府が特定の産業分野や企業に投資するニューディール指数とETF(上場投資信託)を設定すると集中効果が生じ、そこに属さない産業分野や他のファンドへの投資が減少する現象を指す。CLSAは「(韓国取引所が設定した)BBIG指数の構成銘柄は恩恵を受けるが、ニューディールの恩恵を受けられない他の企業は敗者になる」と指摘した。
チェ氏は今年3月にも「文大統領支持者の心中(Inside the minds of Moon supporters)」と題する報告書で、文在寅政権の経済政策と支持者の問題点を細かく指摘した。チェ氏は今回文在寅政権がニューディールファンドを打ち出した背景として、「所得主導成長政策の失敗を挽回するため、次の経済政策は何か大規模で永続的なものでなければならなかったはずだ」とし、「それは文大統領の『最後の勝負手』だ」と評した。