第四に、韓日関係もまた国際構造とこれへの日本の対応に影響を受ける。70年代の韓日関係は、金大中(キム・デジュン)拉致事件や陸英修(ユク・ヨンス)暗殺事件で最低の状態だった。韓日関係悪化の背景として、アジアの同盟諸国を軽視する米国の政策を無視することはできない。また80年代に韓米日関係が急速に改善した理由として、米国が冷戦遂行のため韓日関係改善を強く望んだ事実を省くこともできない。歴代最高と評される金大中政権時代の韓日関係にも、米国と日本の大戦略が作用していた。彼らは、韓米日を中国に対抗する民主主義同盟としてまとめようと考え、これは太陽政策のために米日の支援を必要としていた金大中政権の需要ともぴったり符合した。
過去のパターンを総合してみると、 短期的には安倍首相後に管理型内閣が登場する可能性が高い。しかし歴代最長政権となった安倍首相の後任者らは、一定期間の後、新たな外交路線を追求するだろう。日本が新路線を模索するとき、最も重視する変数は国際構造、すなわち「米中間の競争の中で利益の最大化をいかに実現するか」だ。彼らは、対韓外交もこのような枠組みの中で見ようとするだろう。現在、日本の対韓外交はあいまいだ。輸出規制をしつつも実際の輸出はほとんど全て承認している。徴用問題も取りあえず見守るという姿勢だ。1時間を超えた安倍首相の退任表明記者会見で、韓国関連の質問は一つも出なかった。日本は現在、米中対立の構図の中で韓国を抱擁すべきか、中国側へ突き放すべきか、悩んでいるようだ。相手がまごまごしているなら、主導権はこちら側にある。米中対決の時代、韓国は日本を抱擁すべきか、それとも突き放すべきか?
チャン・ブスン関西外国語大学教授