W氏はこれまで韓国外交部と和解して問題を解決しようと努力してきたが、数カ月前、韓国外交部側の一方的決定で和解手続きが中断されたと主張、「その後、再び和解を試み続けたが、韓国外交部は一切応答もせず拒絶した」と明らかにした。W氏はまた、「(今回の事件で)受けた苦痛、侮辱感、人間の尊厳の喪失感について知ってほしい」として「是正(redress)」措置も希望したとのことだ。
韓国人外交官A氏は駐ニュージーランド韓国大使館に勤務していた2017年末、現地採用の大使館職員W氏の敏感な身体部位に3回触るなどわいせつ行為・セクハラをした疑いが持たれている。
韓国外交部はこの事件を調査したが、A氏に対してセクハラへの懲戒処分より軽い「減給1カ月」という処分を下し、A氏をフィリピン総領事として勤務させることにした。韓国外交部はその後約3年間、この問題を隠そうとしてきた。
また、韓国外交部は今年2月、ニュージーランドの裁判所でA氏に対する逮捕状が発行され、ニュージーランド政府からこの逮捕状の執行に協力してほしいという要求が来たのにもかかわらず、「外交特権」などを理由に拒否した。このため、ニュージーランドのメディアによる韓国外交部の不適切な対応を批判する報道が相次ぎ、とうとうアーダーン首相が電話による首脳会談で文大統領に今回の問題を問いただすという前例のない事態に至ったものだ。
与党の一部には、「今回の事件は男性同士という同性間で行われたものだ」として、被害者とニュージーランド政府が過剰に反応しているとする主張もある。国会外交統一委員長を務める与党・共に民主党の宋永吉(ソン・ヨンギル)議員も同日、MBCラジオの番組に出演して、「同じ男性同士で腹もたたき合うし尻もたたき合うもの」「(A氏はW氏と)親しかったと主張している」と語った。正義党の柳浩貞(リュ・ホジョン)議員は「政府の態度も問題だが、(宋永吉)外交統一委員長の認識はいっそう衝撃的だ」と述べた。
ノ・ソクチョ記者