だが、巨額の費用を投じるほどの実効性が軽空母にあるのか、有事の際に周辺大国の脅威から生き残れるのか-という点を巡る論争も存在する。軽空母1隻の配備には5兆ウォン(現在のレートで約4400億円。以下同じ)以上の予算がかかると予想される。純粋な艦艇建造費用は1兆8000億ウォン(約1600億円)以上だが、F35B戦闘機20機の配備に3兆-4兆ウォン(約2700億-3500億円)以上かかると推定されている。F35B戦闘機20機という数字は、軽空母に搭載される12機に訓練用・予備用の8機を合わせたもの。F35Bは垂直離着陸が可能という利点があるが、F35Aに比べて性能は落ちる反面、価格は30%ほど高い。
F35Bの早期配備に伴って、当初は来年から推進される予定だったF35A戦闘機20機の追加配備事業が遅延する可能性が高まったことも物議を醸している。韓国空軍は来年までにF35A戦闘機40機の配備を完了した後、すぐさま20機追加配備事業を進め、2020年代中盤-後半までに「F35A戦闘機60機体制」を整える計画だった。ところが20年代中盤-後半に位置付けられていたF35B配備事業が20年代前半へと前倒しになることで、逆にF35Aの優先順位が押し下げられる可能性が高まったのだ。なお、F35Bが軽空母に搭載されるとしても、運用は空軍が行うことになる。
◆「世界の軍事力ランキング」韓国6位、北朝鮮25位、日本は?