丁部長検事がこんなことまで起こした理由は想像に難くない。丁部長検事は大統領の手足の役割を果たす李盛潤(イ・ソンユン)ソウル中央地検長の側近だという。彼らの標的は政権の不正を捜査した尹錫悦(ユン・ソギョル)検察総長と韓検事長だ。その手段がチャンネルA記者事件だ。ところが、事件は思うように展開していない。チャンネルA記者と韓検事長の「検察・メディア癒着」ではなく、与党と詐欺師、御用放送局が結託して起こしたでっち上げと判明している。捜査を行えば行うほど、記者と韓検事長の共謀ではないという証拠が出てくる。ついには検察の捜査審議委員会が韓検事長に対する捜査の中断と不起訴を勧告した。青瓦台と秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官が李盛潤地検長に形勢を逆転するよう圧力をかけ、それが丁部長検事に伝わったという推測が十分に成り立つ。
韓検事長は「この話にならない状況は権力が反対する捜査を行えばどうなるのかを見せつけるためのものだ」とし、「狂風の2020年7月」と表現した。実際にその言葉通りに展開している。