北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が27日、「あらゆる圧迫と挑戦に対して強靭(きょうじん)に打ち勝ちつつ、われわれは核保有国として自己発展の道を歩んできた」とし「今では誰もわれわれを見下すことはできない」と主張した。北朝鮮国営メディアが28日に報じた。
金正恩委員長は、北朝鮮が「7・27戦勝節」として記念している停戦協定締結67周年に合わせ、平壌の4・25文化会館で開かれた第6回全国老兵大会に出席し「毎年迎える7・27だが、わが国が戦略的地位に上ったこんにち、7・27を迎えるわれわれの感懐は格別だ」としてこのように演説した。さらに「われわれの頼もしく効果的な自衛的核抑制力で、この地にもはや戦争という言葉はないだろう」「(核抑止力のおかげで)わが国の安全と未来は永遠にしっかりと担保されるだろう」と発言した。
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「戦略的地位」「核保有国」「自衛的核抑制力」は全て同じ意味で、金正恩委員長が重要な演説でこれを繰り返し強調するのは、強硬な制裁とコロナ問題による困難にもかかわらず核は放棄しないということを内外に宣言したものと解釈されている。南成旭(ナム・ソンウク)高麗大学教授は「7・27に核抑止力を強調するのは『6・25のときには核がなくて米国に押されたので、もう絶対に核を放棄することはない』というメッセージ」だとし「11月の米国大統領選挙をにらんだ『戦略挑発』の名目づくりに乗り出した」と語った。
また金正恩委員長は、この日の演説で「われわれは、銃が足りなくて南海を間近にした洛東江の川べりに戦友を埋め、血涙をこらえつつ戻らなければならなかった同志たちの恨(ハン。晴らせない無念の思い)を忘れたことはない」とし「最強の国防力を固める道でいっときも立ち止まりはしないだろう」と主張した。6・25南侵からわずか1カ月ほどで洛東江戦線まで破竹の勢いで押し込んだものの、韓米の「必死の死守線」にぶつかって赤化統一のチャンスを逃したことに言及しつつ、「国防力強化」を注文したのだ。当時、洛東江戦線の最後の防御線だった多富洞の戦いを勝利に導いた主役が、今月10日に世を去った故ペク・ソンヨプ予備役陸軍大将だ。