検察は「やらないのではなく、できない」との立場だ。検察のある関係者は「後援金の内訳と会計資料が膨大で、多くの時間がかかる」「政治的な考慮は一切なく、法律と原則に基づき徹底して捜査を行っている」と説明した。正義連と尹議員に対する告発状だけで10万件以上になるなど、浮上している疑惑があまりにも多いため、その一つ一つを確認するだけでどうしても時間がかかるというのだ。
別の関係者は「会計不正に対する捜査は、現金が帳簿とは違った形で使用された部分を確認することから始まるが、正義連の帳簿は最初からあまりにもずさんで、捜査が非常に難しい」とも伝えた。
重要人物らに対する召喚と事情聴取も難しいのが実情だ。尹議員は現職の国会議員であり、尹議員と共に2000年代はじめから正義連の実務を担当してきた麻浦「平和のわが家」の孫永美(ソン・ヨンミ)所長は先月自殺した。別の正義連関係者も「抵抗」を始めるなど、捜査には非協力的だ。生存する被害者への支援業務を担当してきたある職員は検察の事情聴取に応じず、今月14日に補助金管理に関する法律違反で立件された。捜査上の立場が「参考人」から「被疑者」に変わったのだ。検察の関係者は「捜査対象者が済州島に住んでいるらしいので、居住地近くの検察庁で出張調査を受けられるよう調整したが、出頭には応じないと伝えてから連絡がつかない」「適法な手続きに沿って被疑者に転換した」と説明した。
正義連は「対外世論戦」を通じて連日のように検察に圧力を加えている。今月22日の水曜集会では、職員が被疑者として立件されたことについてイ・ナヨン正義連理事長が「検察の権限を悪用し、市民の人権を侵害した行為」と主張し、狂牛病デモを率いた人物などは検察を糾弾する発言を行った。これらの内容がオンラインメディアを中心に次々と報じられているのだ。