医療スタッフがやるべき血圧測定業務もAさんの役割だった。この時、朴市長は「君(Aさん)が血圧を測ると、私の血圧が上がるので記録に良くない」などのセクハラ発言もしたという。朴市長が週末の早朝にジョギングをする時、女性秘書も出勤して一緒に走らなければならなかった。朴市長が「普段は1時間以上走るが、女性秘書と一緒に走れば50分以内で戻る」と言ったというのがその理由だ。また、女性秘書は「市長の機嫌が良い状態で、望み通りの答えをもらわなければならない人々」から「市長の機嫌を良くする役割」を暗黙あるいはあからさまに要求された、とこれらの団体は明らかにした。
Aさんは2016年1月から6カ月ごとに異動を要請したが毎回挫折し、2019年7月になってようやく勤務地を変えることができたものの、それでも6カ月後にまた秘書業務を要請された。この時、Aさんは「『性的スキャンダル』が出るかもしれない」と被害の事実を示唆したが、人事担当者は問題を把握しようともしなかったそうだ。
ソウル市職員らはAさんの告訴や記者会見を阻止するため、懐柔・引き止めをした事例も支援団体側が公表した。「前職・現職の幹部公務員、特別職、任期制政務補佐官、秘書官」らが今月8日のAさんの告訴状提出後、Aさんに「君を支持するが、政治的陣営論に、女性団体に巻き込まれるな」と懐柔した事例や、「大変そうだね」とAさんにいたわりの言葉をかけながらも「記者会見(をするの)は違うと思う」と引き止めた事例などだ。
この日の見解文には、Aさん以外にソウル市庁で働いていた別の女性公務員たちの被害事例もあった。▲会食のたびにカラオケに行って腰に手を回したり、肩を組んだりする ▲酔ったふりをしてキスする ▲家まで送ると言って、タクシーの中で一方的にキスをしてわいせつ行為をする ▲床に手をつくふりをして脚に触るなど、日常的なわいせつ行為・セクハラがあったと主張した。両団体は「ソウル市で日常的にわいせつ行為・セクハラに遭ったという被害情報は今回の事案だけではない」と述べた。