韓国大手ポータルサイト「ネイバー」の「ネイバー・ウェブトゥーン」(Webtoon=ウェブ漫画・デジタルコミック)に連載されていた『ココロの声』は14年間にわたり「シンドローム」と言ってもいいほどの人気を集めた。ウェブトゥーンが掲載される毎週火曜日になるとリアルタイム検索ワードランキングに『ココロの声』という作品名や、作品に登場した単語が上位に入った。ネイバー・ウェブトゥーン史上最多の累積70億回(1話当たり570万回)というアクセス数を記録し、1話に最大12万件のコメントが寄せられたこともある。作者のチョ・ソク(37)が2015年に中国・広州で開催したサイン会には、まるでアイドル歌手のサイン会かのように中国人ファン数千人が長蛇の列を作った。
韓国で最長寿のウェブトゥーンと言われる『ココロの声』が6月30日、14年間の連載を終了する。2006年9月8日に連載が開始され、合計5045日間にわたり連載された『ココロの声』は同日の第1229話を最後にファンに別れを告げた。完結するという話が伝えられると、ソーシャル・メディアなどには「高校の時から見始めて、5歳の息子も好きになったウェブトゥーンとお別れだなんて…」「また第1話から見なければ」と別れを惜しむコメントが寄せられた。
情報技術(IT)業界では、「『ココロの声』の登場により、韓国のウェブトゥーン(Kウェブトゥーン)は一部の漫画マニアだけのサブカルチャーから世界のウェブトゥーン市場を席巻するコンテンツ産業に成長できた」と評価している。ネイバー・ウェブトゥーンは昨年の時点で100カ国のウェブトゥーン・モバイル・アプリ市場において売上1位を記録した。ネットサービス企業「カカオ」も日本でのウェブトゥーン・サービスを足がかりに台湾・タイといった東南アジア市場への進出を準備している。IT業界関係者は「米国の(大手漫画出版社)『マーベル』を脅かすほど多様な素材とキャラクターを持つ韓国のウェブトゥーンは、海外の方から先に映画・アニメーション制作を依頼してくるほどレベルの高い『韓流コンテンツ』として定着した」と語った。