ボルトン氏は韓国について「安全保障と関連して言えば、米軍が撤収した韓国は想像もできない」「彼ら(韓国)が執拗(しつよう)に分担金引き上げに反対することは、(韓国の安全保障上の)リスクを高めるしかなかった」との見方を示した。幸い当時の防衛費交渉は紆余(うよ)曲折の末に最終妥結にこぎ着けた。しかしこれについてボルトン氏は「米軍が撤収しないための交渉期間を1年もうけたことを意味する」と表現した。
2019年7月にボルトン氏は、防衛費分担金問題について話し合うため韓国と日本を訪問した。これはボルトン氏がトランプ大統領に要請し、現状を把握するため承認させたものだ。ボルトン氏は最初に日本を訪問した際、日本は現在、防衛費分担金として25億ドル(現在のレートで約2700億円、以下同じ)を負担しているが、トランプ大統領は80億ドル(約8500億円)を望んでいると伝えた。
その一方でボルトン氏は「トランプだけが幾らで満足するか知っている」「本当の(防衛費の)数字がどのようなものか推測することに意味はなかった」とも指摘した。これはトランプ自らも知らないというのだ。
ボルトン氏がワシントンに戻った際、トランプ大統領は「分担金増額を勝ち取るため、米軍を撤収させると脅迫せよ」と指示したという。トランプ大統領は「日本から年間80億ドル、韓国から50億ドル(約5300億円)を受け取る方法は、全ての米軍を撤収すると脅迫することだ」「それがあなたを(交渉で)非常に強い立場に立たせる」と述べたという。